今の時代にちょうど良い。イトウコーヒーのオリジナルマグカップを作りました!
イトウコーヒーのオリジナルマグカップがようやく完成しましたので、今回はそのご紹介です。
オリジナルマグカップについて
◆商品名
・イトウコーヒー オリジナルマグカップ(ICS)/170ml(画像左側)
・イトウコーヒー オリジナルマグカップ/170ml(画像右側)
◆商品規格
・高さ:約69mm
・上部幅:約72mm
・下部幅:約60mm
・取手の長さ:約25mm
・飲み口の厚み:約3.5mm
・重量:約210g
・容量:約170ml(実容量は130ml〜140ml)
・陶器製(瀬戸焼/椿窯)
※1点ずつ手作りをしておりますので、個体差が発生します
◆価格
1,300円(税込)
◆取扱店舗
・イトウコーヒー本店
・焙煎香房 知立店
・イトウコーヒーオンラインショップ
※この先、長文となっておりますのでお時間のある時にお読みいただければ幸いです。
マグカップをオリジナルで作ろうと思ったきっかけ
世の中には数えきれない種類のマグカップが存在します。たくさん飲めるように大ぶりなもの、デミタスカップのように小さいもの、薄いもの、分厚いもの。また、形状の違い以外でもお店やブランドのロゴ入りマグカップやキャラクターものの販促品など、用途もそれを購入する人も千差万別です。
もちろんその中にはコーヒーに特化した「香りを十二分に楽しめるカップ」のような商品も存在していて、そんなマグカップ激戦区のコーヒー業界にあって自分たちがオリジナルのマグカップを作る意義はどこにあるのか?まずはそこを考えるのがスタートでした。
もともと純粋に「自分たちのオリジナルマグがあったら嬉しいよね」と、スタッフ間でたびたび話題にはなっていたのですが、それがちょうど2020年で創業70周年を迎えたタイミング。そして2021年には71年目に突入するというこの時期に、せっかくだったら自社の想いをのせたマグカップを一から作りたい。
今振り返るとそれがきっかけだったのかな?と思います。
マグカップのコンセプト
「日々の生活で何気なく淹れた1杯のコーヒーを、ちょうど良い大きさのマグカップで肩肘張らず自由に楽しんで欲しい」
イトウコーヒーには「1杯のコーヒーを通してハッピーをお届けする」という理念があり、それに対する1つの答えとしてこのようなコンセプトとしました。
IT技術の進化やコロナ禍に伴い世界情勢が目まぐるしく変動する昨今。そんなニュースの波から離れて一息つこうとソファに座り、ふと手元に目をやるとSNSの通知を知らせる小さな明かりの点滅がスワイプを誘惑し、私たちの大切な時間を奪おうと狙っている。
そんな私たちの日常に豊かで潤いのある時間を提供できる1つの手段が、私たちが長年取り扱っている「コーヒー」だと思います。
「コーヒーを飲む」という行為は、決してオンラインで体験することができません(技術の急激な発展でそれも可能になる未来があるのかもしれませんが、、)。そんな時間を少しでも有意義に過ごしてもらえるように私たちはコーヒーを皆様にお届けしていますし、さらにはそれを口に運ぶ最終走者であるマグカップにも、同じようにイトウコーヒーの想いを込めたこだわりを使って頂きたい。その考えを具現化したものがこのマグカップです。
詳しい形状については後ほど触れさせて頂きますが、「大きさ・重量・容量」のいずれをとってもちょうど良い。そんなマグカップを一人一人の日常に合わせて、いい意味でラフに楽しんでもらえたら嬉しいです。もちろん入れるのはコーヒーじゃなくてもOK。ジュース、ミルク、日本茶、紅茶、ココアでもなんでも構いません。老若男女、好きなものを好きな時に好きなだけ。そんな〜Every Day Mug〜としてどうぞ。
ちょうど良い器とは?
今の時代にちょうど良い器(ここでは飲み物を入れる器とします)とは、どんなものなのでしょう?
人によってその答えは様々だと思います。
そんな中で私たちが考える1つの答えがこのマグカップのコンセプトに集約されています。
つまり、
「日常生活で気軽に使える」
「堅苦しくない、かしこまりすぎない」
「丈夫である」
「1杯のコーヒーがちょうど入る」
以上を体現できるものが、私たちの考える「ちょうど良い器である」ということです。
そこを起点にオリジナルマグカップの形状を模索しはじめ、あれこれ悩んでいたところに目についたものがあったのです。
「そういえば、、、」
「ちょうど良い」お手本は、身近にあった
イトウコーヒー本店は名古屋中心地からほど近い立地という事、で弊社の営業マンが打ち合わせ場所として使うことが多いです。
その際お客様にコーヒーをお出しするのですが、その器にはイトウコーヒーが長い歴史の中で作ってきたマグカップやカップ&ソーサーを用います。
その中に「使いやすい」「デザインがかわいい」「ちょうど良い大きさ」と評判のものがあることを思い出したのです。
それがこちら。
容量は満水で170ml、実容量で140mlほど、という事はホットコーヒー1杯の量は大体140ml前後なのでちょうど良い(ミルクや砂糖を入れる余白も確保)。それに程よい厚みと重量感があるので華奢なコーヒーカップと比べ、卓上での安定感が抜群に良い。手した時に感じる温もりも視覚・触覚ともに十分感じる。さらにはこの形状を気に入ってくれている方が、スタッフ含めて非常に多いという実績。
その事実を鑑みて、「もしかしたらこの形が良いんじゃない??」という結論に至ったわけです。そして、次のステージは見本のカップを忠実に再現してくれる窯元さんを探す旅に移ります。
瀬戸市の椿窯さん
、と申しましても、窯元さんに知り合いがいるわけでもありませんでしたのでネットで少量からOEM製造してくれるところを探します。
そこで偶然ヒットしたのが地元愛知県瀬戸市の椿窯さん。
公式サイトの印象はとても綺麗で内容も分かりやすく、またSNSの発信もこまめにされていた椿窯さんを「しっかりされていそうだな」と勝手に思い込み、すぐに問い合わせをすることに。そしてその予想は見事に的中。すぐに返信があってそこから数回のやりとりを経て、正式にご協力いただく事になったのです。
依頼するきっかけになった要因の1つに「SNSの発信」とありましたが、椿窯さんのインスタグラムでは社長さんの趣味の投稿(釣りやコーヒー)もたまに見かけて、その人となりがイメージしやすかったのも大きかったです。会社同士の付き合いも、分解していくと最終的には「人と人」。今の時代はいわゆる「中の人」の人柄が見える発信が重要なのだと改めて感じました。
2つのデザイン
デザインはお馴染みのロゴマークに「イトウコーヒー SINCE1951」、
それから「コーヒーコーヒーイトウコーヒー」という文字が入った2パターンをご用意しました。
前者は創業から70年が経過し、そして71年目を歩み始めた弊社の新たなマイルストーンとして創業年を記したものになります。
そしてもう1つのデザイン。元々は「SINCE1951」だけにする予定でしたが、「中の人」きっての希望で作ることに決めました(これはほぼ独断、、)。
「コーヒーコーヒーイトウコーヒー」
地元愛知県の人なら1度は耳にしたことがあるかもしれません。もう何十年もラジオCMで放送されているこの小気味よいリズムのフレーズ。それにCMだけでなく弊社の古い看板やコップにも登場しており、「オリジナルマグカップを作る時はこれを使いたい!」と密かに考えていたんです。
これを機に改めてイトウコーヒーといえば「コーヒーコーヒーイトウコーヒー」という図式を発信していきたいと思います。
そして裏面には椿窯さんのロゴマーク入り。シンプルなロゴを中心に入れることで少しでも瀬戸焼きに興味を持ってくれる人が増えるといいなと思います。
形状・作り方について
「ちょうど良い」のお手本
あと少しだけ、マグカップの形状についてお話しさせてください。
「ちょうど良い」マグカップを作ろうと決めてから、真っ先に思い浮かんだプロダクトがありました。それがアメリカのアンカーホッキング社が1950年代前後に製造していた「Fire King」という器シリーズ。
ミルクガラスを原料とするFire Kingは今でもコレクターが多いことで知られており、デザインや形状も様々です。その中でもシリーズを通して感じるコンセプトは「日常づかい」そして「頑丈である」という2点。そのコンセプトが「ちょうど良い」に当てはまると考えました。
実際に椿窯さんとの打ち合わせにもFire Kingの現物を持参し、私たちのイメージするところを可能な限り共有しようと努めた結果、その後のやりとりもスムーズに進んだような気がします。
圧力鋳込
小ロットでオリジナル製造ということで、今回は「圧力鋳込」という製法を採用しています。専門ではありませんので詳しくは語れませんが、仕上がり形状に対する”自由度が高い”という利点が挙げられます。
このマグカップに関しては側面部分が直線ではなく、やや膨らんでおります。その形状が見た目の柔らかさや手にした時のフィット感に繋がると考えておりますので、その点だけは必ず再現したかった。それを可能にしてくれた椿窯さんには本当に感謝しております。ぱっと見では分かりにくいかもしれませんが、ぜひお手に取って感じていただければ幸いです。
1点1点手作り
ほとんどの工程を手作業で行なっております。
そのためわずかな形状差や表面のムラが発生していることがあります。それに上絵(ロゴマーク)も1つずつ手作業で貼っており、ほんの少し位置がずれているものもあります。そういった点も含めて1点ものとお考えいただき、店頭ではぜひお手に取って確かめて、ご自身と相性の良い個体をお求めください。
取っ手の形状は少し横長になっており、指を通しやすくなっています。もちろんこれも1つずつ手作業で取り付けていますよ。
※事前検品を行なっており、あまりに仕上がりの質が低いものは取り除いております。
専用BOXも作りました
マグカップの専用BOXも作りました。
依頼したのは、昨年リニューアルしたカラコール用ギフトBOXを製造してもらった山本洋紙店さん。マグカップがちょうど1個収まるサイズに仕上げて頂きました。
「機械箱」という昔ながらの形式で職人さんが半手作業で作る「素朴でどこかなつかしい」箱で、マグカップの質感や色味にも馴染んでいます。
再利用も可能なので、皆さんのアイデアで素敵に活用していただけると嬉しいです!
イメージムービーも作りました
製造スケジュールの関係上すべての工程を映像に収めることができませんでしたが、1つずつ手作りしている空気感が少しでも伝わると嬉しいです。
お時間ございましたらぜひご覧ください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ぜひ店頭で、お手にとって見ていただけると嬉しいです。
■商品はこちらからご覧いただけます
・イトウコーヒー オリジナルマグカップ(ICS)/170ml